前回展開した形から、5mm内側に溝を引く道具で縫い穴を開ける目安の溝を切った後、下穴を開ける。下穴ピッチは2.5mm。今考えたら3mmの道具を最初に買っておけばそんなに手間掛からなかったんだけど、あまり詳しくないうちに買ったのが2.5mmだった。よく考えたら2mm購入してたらもっと手間だったからよしとするか。
こういう大きい部分は実は簡単。細かい仕事がないから。鼻歌いながらすいすい縫い作業。2時間半くらい集中してやってたら結構呆気なく形になってた・・・。
さーて、細かい仕事の部分になってきたな。この写真はベルトを縫い付ける本体裏の補強部分。当て革を当て補強しておかないと、重量物運搬時や経年変化で本体の革が破れたり、伸びきったりする。そうすると補修作業は面倒になる。製造業や飲食業はなんでも、新規作成より修繕、手直しの方が新規制作よりよっぽど手間が掛かる。料理で塩加減なんて間違ったら下手すりゃ廃棄処分だもんな。
この細かい作業、思いの外手間取った。革の下穴開けは楽だったけど、ベルトの穴開けが大変だった。
まず、形ができあがってきたので下穴を開ける時に制約が多い。精密な型紙から起こせば問題ないんだけど、革は生き物、裁断した瞬間に丸まったり反り返ったり、縮み上がったり、結局は思い通りには行きにくい。
ベルトの穴が開けにくいのなんの・・・。シートベルトよりよっぽど頑丈な素材で出来てるから大変。更に穴開けても革と違って穴がわかりにくい・・・。
それに加えて元がいい加減な性格だから、当て革の採寸、穴開けが微妙にずれた。2mm近くずれてるから、一定のリズムで縫えない。
スポーツでも音楽でも職人仕事でも、リズムって大事。効率よくなるし、ミスが減る。
縫い終わってから気づいたんだけど、当て革の部分が前足の部分で伸びやすい部位を使っちまって、裁断した時に伸びちまったみたい・・・。
革細工で重要なのは革の部位によって全然強度が違う事を把握しておかないと、後々型崩れの原因になる。背中の部分が強度が出て良い革で、腹は伸びやすく使いにくく、首や足回りはまともな商品としては表に出せない部分でしか使えない。このことが判ると、フランスの馬具製造が元の某ブランドのすごさが良くわかる。あのブランドの皮革製品は本当に凄いと思う。
ふー。この部分、採寸、当て革裁断、穴開け、縫い仕事、30分で終わるかと思ったらとんでもない、2時間も掛かった。
よく考えたら革+ナイロン素材なんて異種接合仕事、初めてだったかも。いっつもヌメ革専門だもんなあ。良い勉強になった。
何となく、形になった。もうそろそろ、使えそうだ。もう片側のベルトをくっつければ最低限形になって使える!!