2015年4月10日金曜日

鹿島灘クジラ事件 一人と一頭の苦闘 

 ニュースになってた鉾田市は直ぐ近く。会社の帰りに家の下にクジラ上がってるんじゃねーか?と思って家に寄らず浜に寄り道してみた。

 !!!居るじゃねーかよ!一頭とは言え、ぐったりしている。
とりあえず何もしないのは気分が悪い。近寄ってみる。

 ・・・どう見てもクジラ。いや、イルカ??体長約250cmはある。結構デカい。
怪力には定評のある自分、とりあえずクジラが横になってる状態なので起こす。推定150kg程度??
気合いで寝返りを打たせる。

 ・・・気合いで済む重さじゃねえ。なんとかしたけど、腰が痛くなった。介護って大変だな、って本当にこの瞬間に思った。自分だからこの体勢まで持って行けたようなもんだぞ?常人じゃ絶対ムリだ。

 かといって、寝返りを打たせたものの、ここからなんの手段もない・・・。
一回うちに帰ってスコップを持ってきた。

 何が出来るか分からないが、考えていても仕方ないからとりあえず手前を掘る。なんで海側掘らねーんだ?と思われるかも知れないが、手前側をガンガン掘って引き波をクジラに集中させ、一気に海に帰そう、との作戦。

 ・・・この巨体相手には一人じゃ残念ながら何も出来ない。波の力を最大限使いたい。少しでも浮けば、目の前が離岸流、1時半の方向へ一気に払い出してる。浮いたら問答無用で500mは沖に出られる。
こんな感じで、クジラの両サイドから寄せ波を集め、引き波をクジラに集中させる狙い。

 クジラも賢い動物、自分が考えてることが分かってくれたのか、寄せ波が集まってきたタイミングで尾びれを派手に動かし浮上を狙うがなにぶん巨体過ぎで座礁状態からなかなか抜け出せない・・・。

 かといって見てるだけでもどうしようもない。この時点で18時。満潮まで30分。ひたすら手前を掘って寄せ波が集中するよう掘って掘って掘りまくる。
チラチラ見てるだけの役に立たない野次馬は居るが、誰も手伝ってくれない。いじけながら掘ってると、白のクルーガーの父ちゃんが手伝ってくれた!!なんて心強い!!

「ご安全に!」

 このとーちゃんは自分のこと知らないだろうが、通勤時間とルートが一緒なので自分は知ってた。(厳密にいやあ白いクルーガーだけで父ちゃんは知らなかったが。)

 父ちゃんも目の前で苦しがってるクジラと、延々剣スコ振り回してるヤツを見てられなかったんだろう。熱いぜ、父ちゃん!

 しかし、父ちゃんと2人掛かりで寝返りを打たせても寄せ波が強く手前に寄ってしまう。引き波を集めても浮力が得られるほど水位があがらない。

 19時過ぎまで作業してもダメ、日没タイムアップ。寄せ波が見切れずに自分ととーちゃんの身の危険を感じてきた。無念。

 もし明日朝、時間にゆとりがある人は16番ヘッドランド北にコイツが居るから助けてやって下さい。