2013年5月7日火曜日

日本三大陶器祭り 土岐美濃焼まつり行ってみた。2

 中に入ると和服姿の方々がいろいろと案内をして下さった。あまりに品が良い。

 既に嫌な予感しかしない・・・。

 まずは手水で手を清めることを勧められる。良かった、手ぬぐい持ってて。茶室の手水の作法なんて知らないから、神式の左手、右手、左手に水をすくい口、最後に左手、と濯ぐ。

 既に緊張と後悔で頭が真っ白になっていた。
 こんな綺麗なお茶室なんて入ったことがない。というか、お茶などを習ってない限り入ったことある人間の方が少ないはず。飛び石が小さいので、足が1尺もある大男は飛び石に合わせ歩くのが難しい。足の裏が飛び石に乗り切らないので苔を痛めてしまいそうだし、歩幅が全然合わないので、よろけてしまう。

 でも、日本人なんで茶室や庭の美しいことは感じられる。

お座敷に上がると、和服姿のお茶の先生方や教養高そうなご年配の夫婦、二十歳くらいの男女、どう見ても日頃からお茶を嗜んでいる方々しか居ない。場違い感に絞め殺されそうになるが、もう、お座敷上まで来てしまったので俎上の鯉状態。素直にお茶席のマナーが全く解らない、通りがかりの素人と伝える。
 同席された皆さんに雰囲気をぶち壊したことをお詫びし、先生にイチから手ほどきを受けるが、もう緊張と恥ずかしさであまり覚えていない。皆さん、すいませんでした。
 いただいた抹茶碗が隣の方が赤志野、自分は黒織部だったが、この抹茶碗が故人となられた人間国宝の大先生の作品だそうで、確かに雰囲気、触れた質感とも凄いものがあった。なんでも今日の茶席のために鍵の掛かっている保管庫から特別にお出しになったそうだ・・・。素人で誠に申し訳ない。が、本物に触れると素人でも本物の醸し出す質感に圧倒される。
お茶室で散々恥をかいた。が、何故か爽やかさもあった。人間国宝の方の超一流の作品に触れる機会を得て良いものは良い、と解ったこと。素直に場違いな素人、と白状したこと。同席された若い方にあとで話をしたが、8年も嗜まれているがここまでしっかりとしたお茶会やお茶室は滅多にない。とのこと、だった。
 「本物」に触れられる機会を得たこと、いろいろあるんだろうな。運動部で言う、負けたのに清々しい、こんな感じがあった。

 この写真は本物に触れた後、会場を散策している際に吸い寄せられる様に行った露天での抹茶碗。会場で唯一これは凄い!!と思った抹茶碗。一声掛けて手に取らせてもらったら、お値段がさりげなく貼られていた。十万円級だそうです・・・。やっぱり、良いものは醸し出す雰囲気が桁外れに違うんだな、と思った。

 それにしても、お茶室経験に良い器に触ったり、良い勉強になった。織田信長が家臣に茶の湯を熱心に勧めたのは粗野な武将に教養を身につけさせるためだった、っていうし、真剣にお茶習いたくなったな。