「しっし、こんなしゃどうにちかいところでねてないで。あぶないからどきな。」
・・・。なんかあかとらのうごきがへんでした。きゅうにおきあがっておじさんをにらんだかとおもうと、はしりださないで、ほふくぜんしんでおじさんからひっしでにげようとしました。
!!おじさんはとっさにあかとらがこうつうじこにあってしまったんだとおもい、さんぽをやめていちもくさんにおうちにかえりました。むかしいっしょにすんでいたねこがおせわになったどうぶつびょういんにでんわをかけながらいえにかえりますが、しんさつじかんがいでじどうおんせいたいおうでした。どうすることもできないので、おなじけいけんをした、ともだちのおねえさんにもでんわをしてじょげんをもらいます。
とにかくたすけてあげないと、しもがふるほどさいきんはさむさがぶりかえしていて、あかとらがこごえてしまいます。おじさんはつりどうぐとしごとのこうぐがまんさいでちらかっていたくるまのにもつをいそいでせいりして、だんぼーるをありったけつんであかとらをたすけにいきました。
さいしょにあかとらをみつけて、15ふんかからずにくるまであかとらのもとにつきましたが、あかとらはうごきませんでした。ひっしでよびかけて、あたまをなでたり、せなかをなでたりしましたが、あかとらはうごきませんでした。おじさんからさいしょににげたときでたいりょくをつかいはたしてしまったのかもしれません・・・。
おじさんはかぞくのねこをこうつうじこにあわせてしまったことがあり、じこにあったねこをほおってはおけませんでした。ずっと、よびかけて、こころのなかでもよびかけて、ただただあたまやくびすじ、せなかをなでていました。あかとらもがんばったとおもいます。でも、あかとらはちょっとずつ、ちょっとずつ、きたかぜにふかれてつめたくなっていきました。ともだちのおねえさんから、ねっとでしらべてもらったどうぶつびょういんのでんわばんごうも、でばんはありませんでした・・・。
ほどうのあすふぁるとではつめたいだろうとおもい、せめてものできることはほどうわきのくさむらによこたえてあげることしか、おじさんにできることはもうありませんでした・・・。
おじさんはあかとらをもとからしっていたわけではありません。でも、めのまえのあかとらをたすけたくて、でもたすけられず、なみだがでました。
なみだがこぼれるのがいやで、そらをながめました。にしのそらにあかいほし、おうしざの「あるでばらん」がめにとまりました。
そうだ、あかとらはあかいほし、「あるでばらん」になったんだ。そうおもわないとだいのおとながなきながらまちをあるくことになるので、かっこがつきません。ばいばい、あかとら。